淡路島 国営明石海峡公園 ~ 色鮮やかな花の風景と「五感」で感じる奇跡の星の植物館 ~  

 海に囲まれ、温暖な気候に恵まれたリゾートアイランド・淡路島は四季折々の美しい花が楽しめる『花の島』として知られ、花の名所やテーマパークが数多くあります。中でも、淡路島 国営明石海峡公園 は島を代表する花の名所。淡路夢舞台の施設群に隣接する公園は花と緑と目の前に海が広がる素晴らしいロケーションと広大な敷地で花に囲まれて過すひと時は、身も心も癒されるオアシス・・・今年も春の一日、花に囲まれた時を過ごしに行ってきました。

 ゲートを入ると今年も、足元に草花を植え込んだ風車とパンジーで覆われたタコトピアリーが出迎えてくれました。

  明石海峡公園1  明石海峡公園2

 花の中海に沿って広がる大地の虹のエリアの中央には立体花壇の『花火鳥』があります。その存在感あふれる姿は震災からの復興の祈りを込めて不死鳥をモチーフに作られているといいます。

   明石海峡公園3

 起伏のある花壇では色とりどりのチューリップやムスカリ、が虹のように配置され、その間にはネモフィラやリビングストーンなど様々な春の花が植えられていて、ポプラの丘の上からは雄大な花風景が堪能できます。

  明石海峡公園4  明石海峡公園5

 園内の様々なエリアでは春の訪れを感じる風景が見られ、時折頬をかすめる風も心地よく、大自然と一体化したような気分に・・・春一番の丘エリアでは春を告げるミモザの黄色が眩しく、開花し始めた桜に心も弾み、足取りも軽く丘を下り、日本最大級の温室『奇跡の星の植物館』へ。

 自然と人間の共生をテーマにした温室には約3000種の世界の珍しい植物が展示され、花と緑に囲まれた空間で四季折々に美しい花と出会えます。

   明石海峡公園6  

 館内にはプランツギャラリー、トロピカルガーデン、花と緑のある暮らし、癒しの庭、フラワーショースペース、シダルームの6つの展示室と野外ガーデン、雲南省の植物、アトリウムがあります。
 亜熱帯植物に囲まれたトロピカルガーデンでは多彩な色の植物の中に華やかな蘭が彩りを添え、南国らしい雰囲気が漂っています。

  明石海峡公園8  明石海峡公園9
    トロピカルガーデン                   鮮やかな色の花をつけたヒスイカズラ

 花と緑のある暮らしのスペースでは日本の伝統的な風景の中に取り込まれた山野草や花木が植えこまれ、心安らぐ空間に時を忘れてしまいそうです。

  明石海峡公園10  明石海峡公園11
                           花と緑のある暮らし

 敷石や苔が広がる足下の上に、土壁お表現したような塀に埋め込まれた植物、瓦などを使ったモダンなアートに植え込まれた植物、さりげなく植えられた見慣れた草花・・・ここは香りや色がなくとも癒されることを実感させられる空間です。

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                             癒やしの庭

 多肉植物やサボテンなどで構成されたプランツガーデンや水音の響くうす暗い空間のシダルームでは見かけることの少ない珍しい花に出会えます。

  明石海峡公園7  明石海峡公園15
    プランツギャラリー                    シダルームに咲くランのドラキュラ

 フラワーショースペースは花と人が集う交流スペースで、色とりどりの花で彩られ春を満喫させてくれます。

   明石海峡公園14
     フラワーショースペース

 夢舞台にあるこの公園と植物館、ここを訪れて植物に囲まれて過す一日は感動とリフレシュを同時にもたらしてくれる最高の場所  今年も新しい感動、そして心と体が癒された素晴らしい一日でした。

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播磨路 5 ~ 羅漢寺 北条の五百羅漢 ~

  遠い昔、四角い柱状の石にデフォルメ化された人の顔を彫った石仏を旅の本で目にし、いつかその石仏を見てみたいとおもっていました。その石仏は『北条の五百羅漢』で親しまれる石仏群で、加西市北条にある 羅漢寺 の境内に並んでいます。

 かつては近くにある酒見寺に属していたという羅漢寺は中国自動車道の高架の手前に建っています。境内の入口には慶長15年(1610)の銘が入った石の仁王像があり、中に入ると足下には小さな石仏があちこちに置かれ、さらに花木の間をぬうように進むと本堂が建っています。こじんまりとした本堂は大正時代に、地元の人々により御旅所にあった薬師堂を移築したものといいます。

   羅漢寺1 

 境内には他に庚申堂、大歓喜天などが建っています。 

  カラン寺2  羅漢寺3  
                                    本堂                  

  羅漢寺9  羅漢寺9
    庚申堂                           大歓喜天

 この寺の名を世間に知らしめている『五百羅漢』は境内の一番奥の釈迦三尊を中心に並べられています。切石に胸部から上だけを刻み、極度に簡略化されデフォルメ化された顔は一体一体がなんともいえないあじわいがあり、どれも神秘的な表情をたたえています。いつ、誰が、何のために造ったのかはわからないといわれる石仏。目的や用途はわからなくても、ここに並ぶ石仏は純粋に信仰心を持たせてくれ、自然に心が安らいできます。

   羅漢寺5

   羅漢寺6

  羅漢寺7  羅漢寺8
    釈迦三尊                         来迎二十五菩薩        
   
 謎多き五百羅漢が造りだす不思議な空間を肌で感じた 羅漢寺 長年の願いが叶い、心の中に潜んでいた忘れ物を見つけたような晴れ晴れしい気持ちで、この播磨路をあとにしました。

播磨路 4 ~ 酒見寺 彩色ある多宝塔と鐘楼の美しい行基創建と伝わる古刹 ~

 播磨平野のほぼ中央に位置する加西市は、『播磨風土記』の『根日女伝説』の玉丘古墳、法道仙人開基と伝わる一乗寺、北条石仏・・・と史跡や名刹などが点在しています。市内の中心北条にある 酒見寺 は天平17年(745)、この地を訪れた行基が酒見明神の神託により創建したことにはじまると伝わり、聖武天皇の勅願寺として歴代天皇の帰依も深く、また徳川家代々のご朱印を頂くとともに姫路城の守護寺として栄えた名刹として知られています。

 市内を走るローカル線の北条鉄道の終点・北条町駅から古い街並みを西に行くと 酒見寺(さがみじ) の楼門が見えてきます。たびたびの兵火で再建、焼失を繰り返し、天正年間にも戦火で焼失、酒見楼門は棟札から文政8年(1825)に再建されたといいます。

  酒見寺1  酒見寺2
    楼門                            多宝塔

 江戸後期の建築技法を伝える楼門をくぐると、本堂に向かって青銅製の灯籠が並び、その右手には朱塗りの多宝塔が目に入ってきます。鮮やかな色彩が施された塔は江戸初期の寛文2年(1662)に建立されたといい、全国で最も美しい多宝塔といわれており、境内にひときわ華やかさを漂わされいます。多宝塔の向かいに建つのが引聲堂と呼ばれる常行堂。ここでは毎年9月10日から一週間にわたり引聲会式が行われ、円仁によって伝えられ、古式を伝えるのはほかにはないといわれています。

  酒見寺3  酒見寺5
    引聲堂                          地蔵堂

 『新西国三十三箇所29番札所』の酒見寺、本堂には十一面観世音菩薩、多聞天、持国天が安置されています。
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     本堂(金堂)

 本堂の東側にはカラフルな鐘楼が建っていますが、この色彩豊かな鐘楼も多宝塔と同時期に建てられたと考えられているそうです。

  酒見寺6  酒見寺7
    鐘楼                            御影堂

 そして、本堂の西側の小さな池に架かる石橋を渡ると 住吉神社 があります。

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 住吉神社は古くは 酒見社 といい、播磨国三宮として知られる1300年の歴史を持つ神社で、社殿は江戸初期に姫路城主・池田輝政により復興されたといいます。

  酒見寺10  酒見寺12

   酒見寺11

 この神社で4月に行われる神事の『節句祭り』は播州路に春を呼ぶ祭として知られ、播磨三大祭のひとつになっています。

 カラフルな多宝塔に鐘楼、由緒ある堂が立ち並ぶお寺、神仏習合の名残りを色濃くとどめる神社は見応えのあるものでした。
 

播磨路 3 ~ 光明寺 東播磨平野を望む五峰山主峰に建つ真言宗の名刹 ~

 兵庫県加東市の北西にあるは五峰山は、宿尾・明星が辻・経の尾・大岩・弥木揚の5つの峰からなり、『播磨高野』とも呼ばれ、その主峰の山頂近くにある 光明寺 は真言宗七十五名刹のひとつに数えられています。この光明寺は推古2年(594)、法道仙人が開基したと伝わる古刹で、『新西国三十三箇所』、『播磨西国三十三箇所』の観音霊場としても信仰をあつめています。また、丹波道や湯の山街道を見下ろせる要害の地に位置するため、たびたび戦場となり、観応2年(1351)2月、足利尊氏・直義兄弟が争った『観応の擾乱』の舞台となったことが『太平記』に記されています。

 播磨中央公園から山道を進むと光明寺の駐車場があり、そこからは眼下に東播磨の平野が一望できるすばらしい眺望が広がっています。境内の入口にたつ石門を入るとすぐに地蔵堂があり、ここから原生林に囲まれた急な坂が突きますが、今年初めて耳にした鶯の鳴き声に、参道わきで見送ってくれる石仏たちに足どりは軽やかに進みます。

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    東播磨の平野                      石門と地蔵堂    

  光明寺3  光明寺4

 ほんの少し芽吹きだした木々の間から射し込む春の陽射しを浴びながらさらにのぼって行くと、多聞院、遍照院、大慈院、花蔵院と塔頭寺院があり、その先の石段の上に元禄時代に山麓から移築したという仁王門が建っています。

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    大慈院の二重搭                     仁王門

 門を入ると右手に文殊堂、鎮守社が並び、常行堂があります。常行堂(阿弥陀堂)は仁明天皇の勅願により慈覚大師が建立と伝わっていますが、常行堂、文殊堂ともに江戸時代の再建といいます。

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    文殊堂                           鎮守社

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     常行堂

 そして、梵鐘堂、本堂(金堂)があり、本堂は幕末に焼失したため、大正時代に再建ですが、鎌倉時代の建築様式を伝えるものといいます。

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     本堂

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    鐘楼堂                          光明寺合戦本陣跡

 この本堂の裏手には足利尊氏・直義兄弟の争った『観応の擾乱』で『光明寺合戦』の舞台となった本陣跡が残されています。

 杉・ヒノキ・シイなどが常緑広葉樹が植生し、新緑・紅葉の名所として知られ、『ひょうご森林浴丈50選』』のひとつに数えられている 五峰山光明寺 森林浴が楽しめるころにまた訪れてみたいと思います。

 

播磨路 2 ~ 朝光寺 伝説の仙人が開基した無人の寺 ~

 東播磨の中で北東に位置する加東市、何げなく野中や町の片隅に建つ寺社が貴重な建築を残すものであったり、境内が源平をはじめとする合戦の舞台だったりと歴史好きにとってはたまらなく魅力ある土地。

 加東市畑にある 朝光寺(ちょうこうじ) 飛鳥時代の白雉2年(651)法道仙人が開基したという伝承を持つ古刹。法道仙人は天竺(インド)から紫の雲に乗って中国、朝鮮半島を過し、日本にやってきたと伝えられる伝説の人物で、仙人が日本にやってきて最初に見出した霊地が兵庫県加西市にある法華山といわれていて、播磨国一帯の山岳には法道仙人開基とされる寺院が数多くあります。この朝光寺もそのひとつで、当初は裏山の権現山に建立され、現在の地には文治5年(1189)に移ったといい、江戸時代の記録によれば学侶3カ院・坊21・末寺5カ寺あったといいます。

 東条湖からのどかな田園地帯を西に車を走らせていくと朝光寺の駐車場らしき空き地があり、そこから小川のせせらぎをたよりに川沿いの道を歩いていくと小さな滝が見えてきます。辺りにツクバネの木が多く自生していることから『つくばねの滝』と呼ばれているそうです。山間の風景に相まって、その清冽さは参拝する人の心を洗ってくれるようです。

  朝光寺1  朝光寺2
                                   鹿野川にかかるつくばねの滝

 滝で心を洗い流し、境内につながる石段を見上げれば、古木が覆う石段はあまり人が足を踏みれないためか苔生し、忘れられたように木の実が・・・のぼりつめた石段の上には二体の仁王像が安置された仁王門が建っています。

  朝光寺3  朝光寺4

 山門を入った境内は人影らしきものはなく、ひっそりと静まり返った中に本堂、鐘楼、多宝塔などの建物だけがひっそりと佇んでいます。どっしりとした力強さが感じられる床下の柱の上に造られた本堂は典型的な和様・唐様の折衷様建築で室町時代初期を代表する建築で国宝で、格子戸と菱格子欄間によって内陣と外陣に区切られています。うす暗い内陣には須弥壇が置かれ、宮殿が安置されています。

   朝光寺5

  朝光寺6  朝光寺11
  
 その本堂を見下ろすように建つ多宝塔は文治年間(1185~90)の建立と伝えられ、慶長6年(1601)に池田輝政によって再建されたといいます。また、鐘楼は永正年間(1504~21)に赤松氏の再建とと伝わり、優美な屋根の曲線など鎌倉時代末期の特徴が残り、箱棟をのせた寄棟造・袴腰の形態は珍しく、貴重な遺構とのこと。

  朝光寺7  朝光寺8

 そして境内のあちこちには無人の寺院を護るかのように幾体もの石仏が置かれています。苔にその姿を覆われたもの、長い歳月に風化されたものなど・・・石仏を見ていると、そのひとつひとつが語りかけてくるような・・・そんな気持ちがしてきます。

  朝光寺9  朝光寺10

 置き忘れられたような閑静な佇まい、ひとり占めして堪能できる貴重な建物、そこにある歴史と文化の重み、 朝光寺 は忘れられないお寺のひとつになりました。

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